最近、老兵世代と若い世代でCapsLockに関する感覚が全く違うことに気がついた。
若い世代は、不用意に触ってしまうため害悪でしか無いという人が多い。
中にはキーボードから[CapsLock]キーを物理的に取り除いてしまう人もいるようだ。
確かに現代においては、意図的に使うとこはほとんど無い。
WindowsXPあたりからだったろうか?
ログオン時にパスワードを入力するときにCapsLockキーがONになっていると「CapsLockキーがオンになっています」とメッセージがでるようになった。
CapsLockキーをOFFにする方法が分からず、企業だとかだとパスワードが違いログオンロックされてしまうことが多発していた。
特にWindows2000あたりまではPC初心者の方の方が多く、メッセージも出ないことから情報システム部門泣かせなところがあった。
おそらく老兵世代しか知らないが、WindowsになってからCapsLockをOFFにして使用するのが一般的になった。
MS-DOSの時代まではCapsLockをONにするのが一般的だったのだ。
この頃、日本ではPC-9801シリーズが覇権を握っていた。
キー配置は今とほとんど変わらないが、キーボードの打鍵は今より心地が良かった。金がかかっている感じだ。
現在のCapsLockが半分のサイズで、CapsLockの隣にCTRLキーがあったのが少々違うところだ。
そのCapsLockも電子的では無く、物理的にキーが下にロックされるタイプで、やっぱりあまり使う事は無かった。
なぜCapsLockがONだったかというと、大文字で打つことが、ほとんどだったからである。
MS-DOSのファイル名だが、当時は8.3形式で小文字は使えなかった。
表示されるのは必ず大文字のファイル名だ。
今でもコマンドプロンプトでは大文字小文字は区別されない。小文字のファイル名なんかも裏では大文字と同じ扱いだ。
例えばa.txtとA.TXTは同居できない。上書きになってしまう。
現代においてもCドライブだとかの表示も大文字が基本だが、小文字で記載をしないのは、この頃の名残だろう。
そしてそれより前のBASICである。NECだとN88-BASIC(86)というプログラム言語が搭載されていたが、そのプログラムは大文字入力が基本だ。小文字で打ち込んでも大文字になる。
もっと前のCOBOLだとかFORTRANだとかも初期の頃は大文字が基本だった。x86のマクロアセンブラも大文字が基本で、唯一C言語でプログラムを組むときに、小文字に切り替えた位だ。
そのため小文字を打つことが限りなく少なかったのである。
現代においては普段利用するときにCapsLockを意識することはないだろう。もしかしたら機能を知らない人もいるかもしれない。それと同じで昔はPCを購入したらCapsLockをONにして意識しなかった。小文字を打つときに[SHIFT]キーを押すのである。今と全く逆だ。
Windows95を導入したとき、自分はWindows95とWindows3.1+MS-DOS6.2のデュアルブートにしていた。当初はCapsLockはONにしたまま利用していたものだ。
途中CapsLockをOFFにした理由が、インターネットの普及である。
まだGoogleは登場しておらず、日本ではYahoo!が覇権を握っていたが、この頃は何処の検索サイトもも巨大なリンク集の様なものだった。ロボットでは無く手動で検索サイト側が人力で登録し、それが検索できただけだった。
2000年位までは、まだまだ雑誌でのホームページ紹介も多く、多くの方はURLをhttp://から手打ちしたものだ。しかも個人のサイトはプロバーダーが用意したURLに加えて、個人のディレクトリ名が追加されるから、長い長い。。。独自ドメインなんて金持ちサイトだけだった。
テレビやラジオも「えいちてぃてぃぴー~」なんて話していて、QRコードなんか用意されていなかった。
仕方なく手打ちするわけだが、そうURLの入力は基本小文字である。メールアドレスも小文字が基本だ(実は全部大文字にしても届くけど)
大文字で入れても多くのサイトは自動で小文字として認識されたのだが、一部区別するサイトもあり都合が悪かった。
大文字を使う事が極端に減り、小文字入力が基本になった。この時代のWindows用プログラムを組む場合もVisual BasicやC++は基本的に小文字入力だった。
ちなみに基本のHTMLも初期はタグを大文字で記載することが多かった。今はもちろん小文字が基本だ。
ホームページビルダーとかのホームページ作成ツールを使用した場合、HTMLを知らない方でもHTMLを出力できたのだが、タグは全部大文字出力だった。
Windows95の世代でプログラムを作成できる方は大文字が基本の世代だったからであろう。もちろん手打ちするにもCapsLockはONが都合が良かった。
古のホームページで有名な「阿部 寛のホームページ」のソースを見ると、例えばkanri.htm
なんかは所々大文字と小文字のタグが混在している。
基本的にJustSystems Homepage Builder Version 20.0.6.0を使用しているようだが、このページは記載が無いので、おそらく手打ちなのだろう。
昔のまま、古の時代を感じられる。
ちなみにPC-9801シリーズはCTRLキーは小さく、キーボードの左側にしか無かった。
実は当時はあまり使う機会が無く、プログラムを強制的に終了するCTRL+BREAK位しか使った記憶が無い。
あとはDOSの時代にフリーソフトのHSBというPC再起動ツールが普及したのだが、その再起動のショートカットがCTRL+GRPH+DELだった。こっちの方多かったが、その位だ。
今はCTRLキーが無ければ全く仕事にならないだろう。CTRL+C、CTRL+Vが無くなったら発狂しそうだ。キーボードの両端下に大きなキーが用意されているし。
時代と共に、キーの役割も微妙に変わってきているのだ。
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