
2007年5月に発売されたThinkPad X61だが、未だにセカンドマシンとして利用している。
あと1年利用しようと記事を書いたが、ついにWindows10のサポートが終了してしまった。CMOS用電池も交換して大事にしてきたのだが、とうとうこの日が来てしまった。
このThinkPadは、元々がWindowsXPの端末だった。
XPのサポート終了と共に廃棄するつもりだったのだが、レジストリを弄ると「Windows Embedded POSReady 2009」になり、2019年4月9日までWindowsUpdateが受け取れそうだというニュースが駆け巡った。
このOSはXPでは無く、POS端末向用に用意されたXP風のOSであって全く別物ということだったが、実際の所カスタマイズされたXPそのものだった。
自分もゴニョゴニョして2014年4月8日のWindowsXPサポート終了を迎えたのだが、翌月もPOSReady 2009としてWindowsUpdateが配信され、引き続き最低限のアップデートは行えた。
問題はウイルス対策ソフトの方だった。「Microsoft Security Essentials」を使用してたのだが定義ファイルの更新が2015年7月14日まで延長になったものの、他のウイルス対策ソフトも次々とサポート終了が進んでおり、事実上使えなくなるのは時間の問題だった。
そんな中、Microsoftより「Windows10 Technical Preview」参加の案内が届いた。Windows10の正式リリース前のテスト版について、テストに参加して欲しいとのことだった。
当初は不安定で英語版のみだった事もあり見送っていたのだが、2015年4月29日に公開されたBuild 10074から参加することにした。ここから「Windows 10 Insider Preview」に名前が変わり、正式公開後も引き続き「Insider Preview」に参加するとそのまま使用できるとのことだった。
「Microsoft Security Essentials」もサポートが切れそうだし、丁度良いタイミングだったのでインストールしてみたのだった。
その後、2015年7月29日にWindows10が発売されると、正式版のWindows10が無事配信された。
アップデート後に、ものは試しにと「Insider Previewビルドの停止」をしてみたのだが、そのまま正規版としてレジストされた。
そのまま10年使い続けたのが、このThinkPad X61である。その間、何ら制限を受けていない。
Windows10の32Bit版が入っているのだが、Windows11からは64Bit版のみとなり、最後の32BitサーポートのOSである。
32Bit版を選択したのはメモリーが少ないからというのも理由の一つなのだが、64Bit版には無い「WOW32」と「NTVDM」という機能が重要だった。
WOW32はWindows3.1以下の16BitのWindowsアプリケーションを動作させるための機能だ。
そしてNTVDMは「NT Virtual DOS Machine」が正式名称で、DOS版の16ビットアプリケーションをネイティブ動作させることができる。双方とも仕様上64Bit版Windowsでは動作できない。
ほとんどの方は古いソフトでもWindows95の32Bitアプリケーションからだろうから、そのアプリが一応動くとされている64Bit版で問題が無い。
それよりも古いアプリを動かすのは老兵以上の世代の方だけだろう。30年以上前のソフトになる。
完全にノスタルジーに浸るためだけに重要だった。
Windows 3.1だと一つのプログラムで最大16MBまでだし、DOSも基本640KBで動作するためメモリー不足どころか、常に最大メモリーを使っても良いレベルだ。
Core 2 Duoとはいえ、CPUも当時とは比べものにならない位高速なため、異常にキビキビ動作する。むしろ速すぎて動かないソフトもある位だ。
そんなソフト達ともお別れを考えていたのだが、拡張セキュリティ更新プログラムが発表された。
- Microsoftアカウントでログインし「Windows バックアップ」をOneDriveに設定する
- 「Microsoft Rewards」の1,000ポイントを使用する
- 3,500円を支払い更新する
のいずれかでWindows10のサポートを1年延長ができる。
物は試しにと、1を試してみた。
OneDriveは無償で5GBなのだが、今となっては意外と容量が少なく結局有償で拡張しないと利用できないため諦める方も多いらしい。
ThinkPad X61にはバックアップすべきファイルが何も無いので容量を消費しない。
しかも自分はOneDrive無償30GB組だったりする。
当時AppleのiCloudに対抗するためか、2014年9月19日~9月30日の間に標準15GBに加えてスマートフォンのカメラバックアップ機能を「オン」にすると、さらに15GB無償増量のキャンペーンがあった。もちろん申し込んだ。
そして2015年1月にMicrosoftから「やっぱり5GBへ減らす」通知があったのだが大炎上し、仕方なく再申込みした方は容量維持できるという特典が追加された。しなかった方は予定通り5GBに減らされて現在に至っている。
その特典を、そのまま10年維持しているのだ。

ということで、ThinkPad X61にはもう1年働いて貰うこととなった。
Windows10のリリース前から使用して、サポートが終了しても使用し続けられるPCもそうないだろう。
ThinkPad X61は本当に丈夫だ。
コメント